望遠鏡
しばし2人の間には、沈黙が流れた。
「…は?」
「いや、だからー…
私、芳隆のこと、たぶん、好きなの!!」
記憶にある中では、自分から告白などしたことなない深春の顔は、更に赤くなった。
恥ずかしさから逃れるように、深春はベッドの中に潜り込む。
「深春、」
「はい…」
「ちょっと出てきて」
「は!?嫌だよ!!」
「いいから出てこいって」
「いーやー」
「深春、」
諭されるように名前を呼ばれて、しぶしぶ、と言ったように深春は布団から顔を出した。