望遠鏡
中には簡潔に
「付き合ってください」
という文章。
その下には
「友達からでもいいので」
という控えめな文章が続いていた。
最後に差出人の名前とメールアドレス。
深春がどういう反応をするのかは、考えなくても分かっている。
芳隆の思ったとおり、深春は早速携帯電話を取り出すと、メールを作成し始めた。
「今度はがんばれよ」
「うん、ありがとう、芳隆。
私、がんばるね!」
こうして、失恋してから1週間もしないうちに、
深春には新しい彼氏ができたのだ。