私のSweets Boy 2
陽介だけじゃなくて…
その後ろには、
以前見た、スレンダーな女性…
あぁ、やっぱり…
もう、ダメだ…
入り口から、
離れようと、背中を向けた時だった…
「麻紀っ?! 麻紀だろっ?!」
久しぶりに聞く、陽介の声…
涙が出そうで、口元を押さえた
でも、
ここには、いられない…
駆けだそうとした時、
片腕を力強い手に掴まれた
「なんで、帰ろうとするんだ?!」
「……」
「麻紀っ!」
クルリと陽介の方を向かされたけど、
陽介の顔が見られない…
「麻紀っ?!」
私の顔を覗きこんできた
「陽介っ? 何やってるの?!行くわよっ」
スレンダーな彼女が
陽介に声を掛ける
「沙希、悪いが、今日は帰れ!」
「なんでっ…「大事な用なんだっ!お前に構ってられないっ!」…」
ムッとした彼女は、
ヒールをカツカツと鳴らし、
黒塗りの車へと戻っていった
「陽介…、彼女、怒ってたよ…いいの?」
「あぁ、それより、
お前、いつからここにいたんだ…?」
「正確には…わかんないけど、
日差しが強かったから、2時か、3時…かな…」
「ばーかっ! 熱中症にでもなったら
どーすんだよっ!
ほら、行くぞっ!」
陽介は、私の手を引き、
エントランスに入り、エレベーターに乗った