甘い君に溺れて



「夜、覚えとけよ…」



空也がボソッと言った。



「んー?
空也、何か言った?」



「別にー」



「…そ。」



二人は観覧車の前に行くと、結構な列の最後尾に並んだ。



「さすが、有名なだけあってカップルだらけだね…」



「そうだなー」



空也の素っ気ない返事にちあきは気まずそうに言った。



「…空也、怒ってる?」



「怒ってねーよ。」



「…怒ってるじゃん…」



「…じゃあ、今ここでキスしてくれたら許す。」



「えっ、ここで!?」



「もちろん。」



空也は楽しそうに言った。



くーっ…
最初からこれが目的っ!?



「む、無理…」


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