甘い君に溺れて
「なんでー?」
「さっきは、後ろに誰も並んでなかったから!!」
今は後ろにカップルが並んでいた。
「ふーん…
ま、観覧車でキスできるしいっか♪」
空也はさっきの不機嫌が嘘のように、にっこり笑いながら言った。
「もう…」
二人でじゃれ合っていると(じゃれ合ってなんかいないわよ!!)、あっという間に次はちあき達の番が来た。
―ガシャン…―
観覧車の窓が閉められた。
「ちあき、何で前に座ってんの?」
「え?何となく…」
「こっちおいで?」
空也は自分の隣をポンッっと叩いた。
ちあきは大人しく隣に座った。
「ちあきはこうゆうジンクス信じる?」