甘い君に溺れて
「乾杯…―」
―カンッ―っとグラスが当たる音がした。
「それでその…
今日のお見合いのお話は…」
ちあきが本題を切り出した。
「今日はそのことは忘れて普通に話しませんか?」
「…え?」
「ダメ…ですか?」
伊集院は少し残念そうな顔をした。
「い、いえ。
そんな、全然っ…」
「なら良かった。」
伊集院はホッとしたように笑った。
その後、意外にも二人は気が合い、時間を忘れて二人で喋っていた。
「わっ…もう夕方…!?」
「じゃあちあきさん、ついでに夜ご飯も一緒にいかがですか?」
「あたしは全然大丈夫です。」