甘い君に溺れて
少しするとまたノックの音がしてちあきが部屋に入って来た。
「伊集院さん、お忙しいのにすいません。」
「いえいえ。
…でお話しというのは…?」
「あの…昨日のことなんですけど…」
「もしかしてちあきさん、昨日のこと覚えてないんですか?」
「ええ…まぁ…。」
「…そうですか。
昨日何があったか知りたいんですよね…?」
「あ、はい。
家まで送って下さったならお礼をと思って。」
「送っただけだと思いますか…?」
「…えっ…?」
伊集院は少しずつちあきに近づいて来た。
反射的にちあきは少しずつ後ろに下がっていた。
「何で逃げるんですか?
昨日することはしたのに?」