甘い君に溺れて
「さぁ俺を満足させて下さいね…?」
それからちあきは泣きながら口に含んで口を動かした。
空也、空也…
ごめんね、ごめんね…―
「会社には連絡しましたから。
送りますよ?」
「いえ、結構です。」
ちあきは乱れた服と髪の毛を直して逃げるように社長室を出て、すぐさまトイレに駆け込んだ。
「っ…ック…」
泣きながら口を何度もゆすいだ。
そしてタクシーで家に帰り、お風呂で何度も何度も体を洗った…
―………♪―
この着信音は…空也…
ちあきは電話に出そうになるのをグッと堪えた。
ここで電話に出たらきっと空也に甘えちゃう…
あんなことしておいて、もう空也に甘える資格なんてない…