甘い君に溺れて



電話が切れた後ちあきは涙も流さず、抜け殻のように立ち尽くしていた。



―………♪…―



それから数分後着信音でちあきは我に返った。



「は、はいっ…?」



「あーちあきさん?」



「京太くん…久しぶり。
どうしたの…?」



「実は…ちょっと店に来て欲しいんです…。」



「…ごめんね…
空也にはもう会えない。」



「でも…空也さんずっとちあきさんの名前を呼んでるんです…

俺達も見てられなくて…」



「どうゆう…こと?」



京太によれば、今日の空也は見るからに不機嫌で、いつもは絶対に酔わない程度しか飲まないのに今日は最初から飛ばして泥酔してちあきの名前を呼び続けているとのことだった。



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