甘い君に溺れて
ちあきが視線を反らしながら言うので、空也はグイッとちあきの頭を上げた。
「…っ…空…也」
ちあきの瞳に映ったのは、今まで見たこともない空也の寂しそうな顔だった。
「そんな顔…しないで?」
ちあきは一筋の涙を流しながら言った。
「ちあきはズルいね?
こんな顔させてるのは…
ちあきだろ?」
「空也、あのね。
あたしは空也に愛してもらう資格なんてもうないの。
だから…別れよう?」
「何でちあきがそんなこと勝手に決めるんだ?」
空也はさっきの寂しそうな顔とは一変して、怒った表情になった。
「空也のこと…もう…
好きじゃないから。」