甘い君に溺れて
「栗山ですが社長とお話しがあって来たのですが、社長はいらっしゃいますか?」
「栗山様ですね。
かしこまりました。
少々お待ち下さいませ。」
受付の女性は空也をチラチラ見ながらも確認を取ってくれた。
「社長から社長室でお待ちしていますとのことです。」
「…分かりました。
ありがとうございました。」
社長室…
あの部屋は…
そんなちあきの気持ちを察したのか分からないが、空也が握っている力を強めた。
「…空也…」
ちあきが顔を上げると空也は優しく微笑んだ。
そうだ…。
空也が居るから大丈夫…
ちあきもそっと微笑み返した。