甘い君に溺れて



―…………♪―



「…はい…」



ちあきは寝かけていた体を無理矢理起こした。



「ちあきー♪」



受話器からは、夜中だというのに機嫌のいい空也の声が聞こえた。



「…どうしたの?」



「今週の土曜日休み?」



「うん、休み…」



「じゃあ、改めてちゃんとデートしよ?」



「うん、分かった。」



「じゃあ土曜日、迎えに行くなー♪」



「はいはーい。
じゃあ、明日朝早いからもう寝るね。
おやすみ。」



ちあきは電話を切ると、またベッドに潜り込んだ。



空也は……―



ちぇーっ…
もうちょっと話したかったな…
ちあき最近忙しいし、仕方ないか…



空也は諦めたように携帯を閉じた。



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