少しはあなたに届くかな。



「楓香〜!!」



新学期が始まったばかりのある日のお昼休み、



ボーっとしてた私は、急に現実に引き戻された。



「楓香聞いてる?て言うか、起きてる?」



「…!?!起きてるよ!目、ちゃんと開いてたでしょ?!」



「いや、そう言うことじゃないんだけどね…はは……」



若干呆れ気味に私を残念そうな目で見るこの子は、私の友人、いや相棒。


芽衣子。



そして、たった今、ほんとは意識が飛んでた私、


楓香。

高橋楓香。




今もまだ、夢見がちな女の子。





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