【短】KISS
「あのね、ケンちゃんっ」
「ん?」
ぴょんってはねた
ケンちゃんの
短いえりあし。
胸がドキドキする。
「キスって、何味だと思う?」
「え?」
わたしのその質問に
ケンちゃんは
おっきな目を
さらにまんまるくさせて
おどろいた。
わたしは続ける。
「アミさんがね
キスはチェリー味だ
って言うんだけど
わたし
キスしたことないから
わかんないの。」
わたしは
こないだリメイクした
ピンクのスニーカーに
視線を落としながら
ひとつずつ言葉を並べた。