僕は鳥になる【短編】
夢
「っ…。やべ…。今のすごかったよな!」
「うん。凄く綺麗だった…!」
そう。
凄く綺麗だった。
僕の夢を変えてくれた鳥こそがこの1ヶ月のうちの生きる希望になった。
「ねぇ。兄ちゃん。」
「ん?何だ?」
「僕、1ヶ月にやり残した事はできないって思ってた。」
やっぱり僕からこんな話すると兄ちゃんは顔をこわばらす。
「だけどね…。たったいま…僕のやり残した事よりももっとやりたいことができた。」
兄ちゃんは不思議そうな顔をしてこっちをみている。
「何なんだ?そのやりたいことって…。」
「鳥になること。」
「鳥?」
「そう。鳥。鳥は自由に空を飛び、空に向かって進んで行く。だから僕も鳥みたいになりたいなって思って…!」
「なるほどな。いい夢だな。晃…。」
兄ちゃんは感心したように理解してくれた。
兄ちゃんにそういってもらえると凄く嬉しいんだ…。