僕は鳥になる【短編】
ごめんね…。
「――ら!」
「――ら!」
兄ちゃんの声がする…。
「……ん……。」
「晃!!」
兄ちゃんの声がしっかり聞き取れるようになった。
だがまだ苦しかった。
当然声を発するのも苦しい。
でも頑張って声をだした…。
「に…い………ちゃ……」
「晃…!」
兄ちゃんは凄く心配そうな声で僕の名前を呼んだ。
僕は兄ちゃんに心配かけたから謝りたかった。
だから頑張って声を発した。
「ご………めん……ね」
よし…。言えたぞ…!
これが言えただけでも大丈夫なんだ…。
「何言ってんだよ!大丈夫だ。」
兄ちゃんはよくみると泣いていた。
兄ちゃん……?
泣かないで…?
兄ちゃんが泣く姿は見たくない。
何か僕の体にあったの?
僕は大丈夫だから…。
お願いだから泣かないで…?
僕は皆に……。
皆に僕のせいで泣いてほしくないんだ……!
僕は皆に笑ってほしいんだ!!