僕は鳥になる【短編】
ごめんね…。




「――ら!」



「――ら!」




兄ちゃんの声がする…。






「……ん……。」




「晃!!」




兄ちゃんの声がしっかり聞き取れるようになった。




だがまだ苦しかった。



当然声を発するのも苦しい。




でも頑張って声をだした…。





「に…い………ちゃ……」




「晃…!」




兄ちゃんは凄く心配そうな声で僕の名前を呼んだ。




僕は兄ちゃんに心配かけたから謝りたかった。




だから頑張って声を発した。




「ご………めん……ね」



よし…。言えたぞ…!




これが言えただけでも大丈夫なんだ…。





「何言ってんだよ!大丈夫だ。」






兄ちゃんはよくみると泣いていた。




兄ちゃん……?
泣かないで…?



兄ちゃんが泣く姿は見たくない。





何か僕の体にあったの?





僕は大丈夫だから…。




お願いだから泣かないで…?




僕は皆に……。




皆に僕のせいで泣いてほしくないんだ……!




僕は皆に笑ってほしいんだ!!




< 7 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop