気まぐれ猫
その日の帰り、信号待ちをしていると、花屋で楽しそうに花を選ぶ猫を見つけた。 信号が青になり、俺は歩き出した。
しかし、あまり見せることのない猫の楽しそうな顔から目が離せず、猫を見つめたまま歩いていると、猫が俺に気付いた。
「何見てんの」
猫が訝しげに言った。
「別に。お兄さんの見舞い?」
「そっ。毎日行ってるから」
さっきの顔からは想像できないほど無表情で言った。
「あっ」
猫の変わりぶりに半ば呆れていると、何かを思い出したように、猫が言った。
「何」
「付いてこないでね」
何を言い出すかと思えば……
「行かねーよ!」
猫は花を受け取り、あっそと一言残して、行ってしまった。
しかし、あまり見せることのない猫の楽しそうな顔から目が離せず、猫を見つめたまま歩いていると、猫が俺に気付いた。
「何見てんの」
猫が訝しげに言った。
「別に。お兄さんの見舞い?」
「そっ。毎日行ってるから」
さっきの顔からは想像できないほど無表情で言った。
「あっ」
猫の変わりぶりに半ば呆れていると、何かを思い出したように、猫が言った。
「何」
「付いてこないでね」
何を言い出すかと思えば……
「行かねーよ!」
猫は花を受け取り、あっそと一言残して、行ってしまった。