気まぐれ猫
 「いつも少しでも点数や順位が落ちると叱られて、いつもプレッシャーかけられてた。それでも、小さい頃はその期待に応えるのが楽しかった」
 司の頭が徐々に垂れてきた。
「でも今は……」
「ちょっと聞いてくれよ!」
 司が続きを話しかけたところで二人が戻ってきた。
 ふと司を見ると、司はいつも通り笑っていた。
「祐輔が勝手に俺の決めちゃったんだよ」「お前がモタモタしてるからだろ」
「他のお客さんに迷惑だよ、二人とも」
 すかさず司が止めにはいった。
 本当の本当にいつもの司のようだ。
 心なしか二人も嬉しそうだ。
 司の話は気になるが、また今度にすることにした。
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