気まぐれ猫
 俺は病院から帰る途中、ずっとお兄さんの言葉が頭から離れなかった。
 “自分のことだから自分で決める”
 ただでさえそれは難しいことなのに、ましてあんな体でそれをするお兄さんは、すごく強くて真っ直ぐな人なんだと思った。「……似てんのかな……そういうとこ」
 俺は猫を思い出してフッと笑った。
 俺は歩きながら司にメールをした。
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