気まぐれ猫
 夏服になった学校の風景は少し涼しげだった。
「優希、今日も行くの?」
「うん」
「また行きますって言っといて。楽しかったから」
「言っとく」
 そう言ってみんなとわかれた後、玄関で猫に呼び止められた。
「あんた今日も行くんでしょ」
「行くよ」
「あたし今日少し遅くなるって伝えといて」
 そして猫は走って行ってしまった。
 俺は暑い日差しの中、病院へと向かった。
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