気まぐれ猫
隣の猫
 猫こと三崎夕璃のことは名前と中学以外は何もわからずじまいだった。
 でも、俺はあの長い黒髪が目に焼き付いて離れないだけで、別にあの人自身をどうこうという訳じゃないから、さして気にもしなかった。
 それからはクラス全体にも慣れ、学校にも慣れ、楽しく過ごせていた。
 ただ、唯一大変な事といえば、勉強だ。 進学校であるうちの学校は一時間の授業時間が長く、内容も濃い。
 おまけに、家に帰ってから復習をしないとついてけない。
 まあ、好きでここに来たから文句も言えないわけだが。
 一緒にいる三人もああ見えて頭がいい。 宏樹にいたっては勉強している様子もないのに出来る。
 そういえば、隣のクラスの猫も頭がいいらしい。
 綺麗で頭がいいなんて。高嶺の花とはあの事を言うのだと思った。
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