モ ノ ク ロ


大きな音をたてて入った私に
みんな驚いてこっちを見てる。
そんなの気にしない位に
私はダウンしていた。

「しの!?どしたの!」

「笠原にしちゃ早いじゃん。」

「詩紀早かったな。遅れるって聞いたけど。」

にこにこして私に話しかける
この人が店長。

オオクボマサキ
大久保真幸

幼なじみのお母さんの後輩らしく
昔はヤンチャしてたらしい。
マイペースで柔らかい雰囲気からは
想像できない。
女には怒らないけど
怒ると相当危ないらしい。


『走って…来ました。』


まだ息の整わないまま
着替えに更衣室に入る。



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