モ ノ ク ロ


じゃあ、と織田くんは手を出してきた。
なんだろう?


「バイト仲間としても、友達としても、よろしく。」

握手か…ちょっと恥ずかしい。
おずおずと手に触れると
大きな掌はしっかりと
私の手を握った。


『じゃあ私のこと、詩紀かしのって呼んで。みんなそう呼んでるから。』


「…じゃあ俺も、紀生かノリで。」


2人で顔を見合わせて
笑ってしまった。



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