モ ノ ク ロ
私のことは真幸さんが
先にあげてくれた。
今日は本当に疲れた。
女ってやっぱ怖いわ…。
─ガチャ
『あ、お疲れさま。』
「ああ、いつもこんななの?」
うんざりって顔で入ってきたのは
ノリだった。
私はとりあえず苦笑いで答えておいた。
ノリが着替えに出たときに
真幸さん、克己さん、あきちゃんが
入ってきた。
『お疲れさまでーす。』
あきちゃんと真幸さんは
普通に返してくれるのに
克己さんは違う。
ニヤニヤしてお疲れと返してくるだけで
むかむかする。
「お前も男だったら良かったのにな~。」
どうゆう意味だ!
『うるさい!シケメン!』
挑発に簡単にのる私に
克己さんは私の肩を叩いて
「残念ながら客は俺たち目当てだ~。」
とふざけた顔をして戻ってきたノリと
交代するように着替えに行った。
今日も負けた…。
紫喜はなんであんなのと
付き合ってんのよ!
真幸さんとあきちゃんは苦笑い。
何も知らないノリは若干、きょとんとしてた。
真幸さんもスタッフルームを出て行った。