倫子の場合
「そんなに親うるさいの?」「うん、大学は野球の推薦で行けとかなんかみんな進路決められてしまって」「そうなんだそれもつらいよねえ」「私なんてアメリカに両親が言ったきりだから自立するしかなくて」「そうか」「でもえらいじゃん17歳でちゃんと自立している陸ちゃんて」「そうかなあ」「そうだよ」カタッキッチンに陸は入っていった、しばらくしてカナッペとすき焼きのセットを持って帰ってきた。
「今日はすき焼きでいいかな」「いいよ、おー牛肉だあ」「ふふっ」4人はダイニングテーブルに腰掛、カナッペとビールを飲み始めた。「高校生でビールってまずくないか」「いいのいいの無礼講よ今日は」「無礼講ね」「うん無礼講」
ゴクッ冷えたビールが喉をうるおす。少しほろ酔い加減になってきたころ、すき焼きの準備ができた。「じゃあこれをみんなでつつこう」「うん、ありがとう」いろいろな話をしだした陸がまえアメリカンスクールに入っていたこととかを・・・「陸ちゃんアメリカンスクール入っていたんだね」「うん」「じゃあ英語得意でしょ」「とりあえず英語のスピーチで全国で優勝したことあるよ」「なんかなんでもできるんだね」「そうでもないよ好奇心がおおせいなだけだよ」「ふうん好奇心旺盛かあ」「うん」「でもねこの性格ゆえたまに人にすごく誤解されることがあってね。「ふん」「誤解か」「うん、生意気だとか言って前の高校でも上級生にいじめにあったんだ」「へえ、アメリカンスクールでもいじめってあるんだね」「うんあるよ」
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