倫子の場合
倫子は隣に転校生が座ってしまったのが少し面倒な気持ちになった、(ただでさえ学級委員やってて雑事が多いのに面倒だなこれからこの子にいろいろ教えて行くのは)内心あまり隣に転校生が座ったことは倫子にとって少しばかり迷惑な話だった)学級委員はクラスの多数決で決められてしまってやりたくなかったのにやらされてしまったのだった。(なんかさあいつも貧乏くじなんだよね私ってば)斜め前の由美に目配せをした。
「はじめまして、わたし由美です」「よろしくね」「水泳やるんだって?」「今度泳ぎ教えてくれない?」「いいですよ」「そういって倫子はゆっくり笑った」「楽しみ、この子からだ弱くってそれで水泳やったらどうかっていう話になって、それででもこのこかなずちで」「だから誰か教えてくれる人いないかなって思っていて。」「そうですか」「うん、いいかな?」「いいですよ」そういって2人は約束を交わした今度の日曜日からレッスン開始だ。チャイムがなった、がたがたみんないっせいに席に座る。
先生が教室に入ってきた、「今日はこの間のテストの答案を返す」「名前を順に呼ぶからそしたら返事をしてとりにくるように」順々に名前が呼ばれていく、倫子の名前が呼ばれた「はい」とりに前に行く、86点、及第点だけど駄目だなこれじゃあ。
倫子の成績は学校を休みがちだったがよかった、天才肌で何をやらせてもそこそこできた。ただ運動だけは体が弱い事もあってウンチだった。次々と先生は生徒の名前を呼ぶ。
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