風のおとしもの。



   ***



「よぉし、始めちゃいましょーっ!」


大きく意気込んだ美紀さんに、里香さんは小さく息を吐いた。


「美紀さん、図書館ではお静かに……」

「はぁい」


小声で返事する美紀さんは、なんだか楽しそうだ。



「で、美紀がわかんないところなんだけどぉ」

「私に聞くのか」

「だぁってぇ、里香もわかんなかったんだもーん!」



雛がいるだろと佳代さんは私を指さす。
確かに古文は佳代さんよりも得意だ。
今日の為に予習もしっかりしてきたし、答えられると思う。





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