風のおとしもの。
ふと気がつくと、外はもう夕日が暮れだし、夜の気配をまとっていた。
「んーっ………もうこんな時間かぁ」
私が窓を覗くのとほぼ同時に、佳代さんは大きくのびをする。
「ホントだ、真っ暗ー」
「今日はもう帰るか。図書室もそろそろ閉まるだろうし」
疲れたけどいつもよりたくさん勉強した気分だ。
里香さんが教材を片付け始めたので、みんなも片付けを始めている。
なんだかあっという間だったなぁ。
そんなことを考えていると、自分だけ教材を開けっぱなしなことに気付く。
あぁっ、遅れないようにしなきゃっ。
ちょっと出遅れた私は、遅れないように少しだけ急いで教材を閉じた。