風のおとしもの。




「今日はお疲れ様ぁ」

「佳代、今日は助かったよ。また明日」

「ん、そんじゃね」

「お気をつけて」



校門で美紀さんと里香さんと別れた。
二人ともあっちにお家があるんだ。
ということは、佳代さんだけいつも一人で下校していたのかな。
もしそうなら、私は佳代さんと一緒な方でよかった。
初めて一緒に帰った日に、佳代さんが少し嬉しそうにしてくれた理由がわかった気がする。
帰りに寄り道していく日もあるみたいだけど、一人で帰るのはちょっと味気ないから。


「美紀はどうだった?」

「とても頑張られていました」


美紀さんはすごく熱心に勉強していたので、一番疲れているみたいでした。
私の説明にもしっかり耳を傾けてくれて、予習してきてよかったって思えましたし。




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