風のおとしもの。



「そんな思い詰めなくていいんじゃない?」

「え………」


思わず顔を上げると、面倒臭そうに頬杖をつく里香さんと目が合う。


「や、ホントにそう思ってるんだってわかったからさ」

「あっ、あの!」

「わかったから、そんな目で見るな」


あっ。
私、涙出そうになってる。
慌てて隠そうとすると、安心したせいか零れてしまう。


「すびません」


そんな私を、里香さんは目を真ん丸にして見た。
うぅ、恥ずかしい…。


「来い」

「ぅふぇっ」


びっくりして変な声が出る。
だって里香さんが急に手を引っ張るから。
私は里香さんに連れられるまま、図書室を出た。




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