風のおとしもの。




当初は佳代さんの為にと予習してきましたが、予習した甲斐がありました!
………と、最初は意気込んでいた。

でもやっぱり私は上手に説明出来なかったみたい。
………いえ、めげてばかりいられませんっ。
そんな私の説明を、里香さんはゆっくりゆっくり聞き進めてくれたので、一生懸命頑張った。


「ここがこうで、だから訳す時は……」

「じゃあここのitはこいつを指してるわけか」

「はい、なので今訳したここをうぃっと持ってきて……」

「なんだよその効果音」

「ふぇっ」


笑わせんなと声を殺す里香さん。
そっ、そんなにおかしかったでしょうか。
恥ずかしくなってきました。


「悪い悪い。で、続きお願い」

「あ、はい。えと―――」


説明したことが伝わると、その度に嬉しい。
そして日が落ちるまで、今日も楽しく勉強出来た。





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