風のおとしもの。
***
「っしゃー!終わったー!!」
「お疲れ様でした!」
「あー、もぉ………終わった。おわった………」
「美紀、生きろ」
試験最終日の放課後、駅前のファーストフード店へ足を運んだ。
こんなところに来るのは久しぶりで、店内に入った時は緊張してしまった。
わぁ……お母さんに連れてきてもらって以来ですっ。
「補習確定かも。やだ、やだぁあぁぁ!」
「まだわからないよ」
「わかるよ!マジ森下の数学何?何なわけ!?意味不明!」
「まぁまぁ」
「………出来た人はいーよね。……佳代出来たんでしょ?」
「あー………あはは、まぁね」
「もおぉ!なんでなんでなんでぇえぇ!」
「っおい、暴れるな暴れるな。結果出るまでわかんないって」
そう言ってなだめる佳代さんは、苦く笑う。
確かに今回の数学はちょっと難しかった。
佳代さんはさすがです。