風のおとしもの。



    ***




「っしゃー!終わったー!!」

「お疲れ様でした!」

「あー、もぉ………終わった。おわった………」

「美紀、生きろ」


試験最終日の放課後、駅前のファーストフード店へ足を運んだ。
こんなところに来るのは久しぶりで、店内に入った時は緊張してしまった。
わぁ……お母さんに連れてきてもらって以来ですっ。


「補習確定かも。やだ、やだぁあぁぁ!」

「まだわからないよ」

「わかるよ!マジ森下の数学何?何なわけ!?意味不明!」

「まぁまぁ」

「………出来た人はいーよね。……佳代出来たんでしょ?」

「あー………あはは、まぁね」

「もおぉ!なんでなんでなんでぇえぇ!」

「っおい、暴れるな暴れるな。結果出るまでわかんないって」


そう言ってなだめる佳代さんは、苦く笑う。
確かに今回の数学はちょっと難しかった。
佳代さんはさすがです。




< 133 / 382 >

この作品をシェア

pagetop