風のおとしもの。



「………雛乃、あんたはどうだった?」

「まぁまぁでした。あっ、でも世界史がいつもより出来た気がします」

「私も英語や古文がいつもより出来たと思う」

「やりましたねっ」
「ん」


一緒に頷くと、里香さんは嬉しそうに笑った。
私の説明でそんなにうまくいったのかな。
なんだか私まで嬉しいです!


「雛ぁ、数学はー?」

「あっと……まずまず、でした」

「なんだとー?聞き捨てならん!」

「ごっ、ごめんなさい」

「私もひどかったぞ」

「せっかく指導したのになんてやつらだっ」


佳代さんは笑いながらため息をこぼした。


「そういう佳代は……英語、出来たのか」

「うっ」


ぎくっと体を強張らせた佳代さんは、里香さんの視線を逃れるように椅子にもたれる。


「まぁ、今日は遊ぼうよ!」

「……そうだな」

「はいっ、美紀カラオケ行きたい!」


美紀さんは手を上げて提案する。
カラオケって……歌うところだよね。

「乗った!」

勢い良く返事した佳代さんは、美味しそうにシェイクを吸った。





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