風のおとしもの。
宮崎先生は私を支えるようにしてベッドまで連れてきてくれる。
「落ち着くまで休むといいわ」
「ぁ………」
そういって先生は私の頭を撫でてくれた。
それがすごく温かくて、優しくて。
まるで子供の頃、お母さんがしてくれたみたいな仕草。
「…小鳥遊さん……?」
驚いたような先生の表情に、考えていたことがばれてしまったような気がして照れ臭くなった。
顔を俯けるとぼたぼたと何か落ちてくる。
………?
なみだ……―――?
「どこか痛むの?」
「いえ、どこも……」
「………小鳥遊さん」
「はい」
「辛いことがあったら、誰かに相談することが大切よ?一人で溜め込んじゃダメ」