風のおとしもの。
「まぁ、ひどくなるようなら必ず言うのよ?」
「ぇと、はい」
「顔色も良くなったし、今日は大丈夫そうね」
「はい………。……私、意味もわからず嫌われて、辛辣な言葉を投げられて、それが堪らなく怖かったんです」
「うん?」
「だから、今先生のお話を聞いて、ちょっとわかった気がするんです」
「………そう、なら良かったわ」
「私変わってるみたいで、周りからよくからかわれたり馬鹿にされたりするんです。もしそういう、私にはもうどうしようも出来ない性格のことを嫌われてしまったのなら、このままずっとうまくいかないのかなって思って、怖かったです」
すぅっと息を吸い込むと、肺が空気いっぱいに満たされる感覚が心地好かった。
「でも別の考え方もあって、もしそうなら、私頑張ります!」
両手で握りこぶしを作る。
ぐっと力を入れると、元気が沸いてくるみたいだ。