風のおとしもの。




「…服が乱れてたのはそういうことだったの」

「はい、あの………私、気付かなくて。佳代さんがそういう風に私のことを心配してくれていたなんて…」

「ま、勘違いなら、良かった」


ため息をこぼす佳代さんの横顔には陰りがなく、安心したみたいだ。
ちゃんと伝えることが出来てよかったです。



「……ん?てかさ、雛はどーやって私が勘違いしてるって気付いたわけ?」

「そっ、それはその………っ。―――はっ、女の勘でしょうか」

「いやいやいや」


うっ、笑われてしまいました。
村井君に聞いたなんて言えないし…。


「純な雛乃が、誰に入れ知恵されたのかなぁって」

「佳代さん、あの、近い……」

「村井とはこの距離だったんでしょ?なら問題ないじゃん」


つつつっと私の隣りへ近寄る佳代さん。
逃げようとすると、がっちりと腕を捕まれる。
暑い暑いって言ってたのに!
それに私、今汗くさいですっ。

それでも距離をとろうとする私の肩を、佳代さんは反対の手で押さえる。



「………雛ってさ、鷹文のことどう思ってんの?」







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