風のおとしもの。




いいのかよ。
二つ返事っつーのもなんか………疑うって心はないのか?

しかも俺だぞ?
さっきまであんなに警戒してたのにもうこれか。


「お前がやれっつったんだからな……」


前とは違う。
今度は体に触れる。

こいつは一回痛い目見ないとダメなんだろうな。
多少強引だけど、他のやつに襲われてからじゃおせぇし。



肩、細いな……。
小鳥遊の息が詰まるのがわかる。
……また泣かすことになるかもな。
でも今更やめる気はないし、やれって言ったのは自分なんだから。
軽はずみな返事、たっぷり後悔しろよ?


リボンを解き、シャツのボタンをはずす。
鎖骨があらわになり、小鳥遊の体がさらに緊張するのがわかる。
……ちゃんと食ってんのか?
浮き彫りになった鎖骨に、真っ白な肌。
手を伸ばそうとして、すんでのところでとどまる。


フリなんだから触るのはマズイだろ!?
つか俺、今なんで………っ。

いや、考えんな。
かぶりを振って、肩口に手をかけ直す。
カッターシャツ越しに、小鳥遊の肌の感触や体温が伝わってきた。

………やわらけぇ。
こんなにほっせぇのに、触ると柔らかいんだな。








< 220 / 382 >

この作品をシェア

pagetop