風のおとしもの。










………それにしても長い。

和解してからもう何分か経つ。
それに、雑談にしては小声過ぎるっつーか…。

妙に静かだ。
気配を窺っていると、高見の声がした。

やっと終わったか…。



昇降口の扉が閉まる音がして、ゆっくりとハシゴから降りる。
俺も日陰で涼もうとすると、そこには小鳥遊がいた。

そのまま二人で帰ったのかと思ったのに………何かあったのか?



小鳥遊に尋ねても誤解が解けた、良かった、そんなことが断片的に紡がれるだけで、全く要領を得ない。
だったらどうしてお前はこんなにふぬけてるんだ?
痛そうに歪んだ顔して、良かったってなんだよ?


どうにかなっちまったんじゃないか心配になって、しばらく小鳥遊の傍についていた。
けど小鳥遊は、一向に動こうとしない。

何度尋ねても短い返事しか返ってこなかった。






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