風のおとしもの。





頬杖をついていると山口が話しかけて来やがった。
面倒くせぇ……。
なんなんだよ。


「げってなんだ。まぁ講習に出席してるのはいいことだし、大目に見てやる」

「………」

「……あのなぁ、先生を睨むやつがあるか!ったく……ほら、選択講習の用紙だ」

「は?」


そういうと山口は一枚の紙を差し出した。
受講したい授業にチェックして提出して下さい…?

なんだこれ。


「お前これ配った時いなかっただろ。とっくに提出期限は過ぎてるんだが………授業に出てきてくれて先生は嬉しいぞ。ほら、明日には提出してくれ」

「……いらねぇし、提出しねぇし」

「配布するプリントの関係で、ないと講習じゃ不便するぞ?」

「うっぜぇ……」


吐き捨てると、カバンを取って立ち上がる。
ついでに小鳥遊の方を盗み見る。

………いねぇし。
どこ行ったんだ?
帰った…のか。

ちらほら人はいたが、部活やらなんやらでもうほとんどが教室から消えてる。










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