風のおとしもの。








…………はぁ。
メールも返事がねぇし……何かありましたって言ってるようなもんだろ?

なんなんだよ。
気にかけて欲しいのか?
それとも俺なんか眼中にないって?


さっさと階段を降り、下駄箱に向かう。




っくしょう……なんでこんなにむしゃくしゃするんだ…!
下駄箱を蹴りつける。



あいつはなんでっ…!



もう一度蹴る。
あの時も今も、俺なんか眼中になくて、全部一人で抱えて……!


ばきっ。
どこの誰だか知らねぇやつの下駄箱が壊れる。
どうでもいい。
隣りの下駄箱を蹴る。


あいつは、忽然と俺の前からいなくなった。
誰もいない病室。
小鳥遊どころか、お前の母親までいなくなって…!









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