風のおとしもの。



       ***



結局村井君は保健室を出て行った。
やっと保健室が静かになり、私は膝に布団をかける。


「ごめんね、いじめすぎちゃったみたい」

「いえ、いいんです。私、村井君には嫌われてしまったので」

「えっ、そうなの?ケンカ中だったんだ!ごめん、アタシってば……」


ちょっと探してくると立ち上がった宮崎先生を慌てて静止する。


「私村井君の彼女じゃありませんし、ケンカとかそういうんじゃないですから!」

「あれ?そうなの?」


そういって宮崎先生は口に手を当てた。
だいたい、どうやったら私と村井君が付き合ってるように見えるんだろう。


「まぁこんな綺麗な子が彼女なんて、あいつには出来過ぎた話よねぇ」


そう言って宮崎先生は大きな口を開けて笑う。
なんか先生じゃないみたいで、女の人なのにとても豪快な人だ。
村井君も他の先生に接する時のような刺々しい態度じゃなかったし、きっといい先生に違いない。
そう考えると、自然と笑顔になる。









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