風のおとしもの。
「あなた、お母様とよく似てるわ」
先生はウィンクを飛ばして笑う。
そして、親子そろって綺麗なんだものと嘆息する。
お母さんと似ているとはよく言われたけど、綺麗だなんて初めて言われました!
お世辞なのだとわかってはいても、少し照れ臭い。
「母のこと詳しいみたいですね。お知り合いですか?」
「アタシ、お母様のファンなの」
「そうだったんですか」
「とっても温かな絵を描くでしょ?その中でも特に気に入った絵画があって、お給料貯めて買ったこともあるの」
嬉しそうに話す先生を見て、やっぱり私も嬉しくなる。