Dear.大好きなお兄ちゃん
それから
初めて現場に行った
10月の中旬。


私は不安などを抱えながら
事故があった線路に
向かいました。


もちろんあーちゃんもです。



現場を見た瞬間、
私は素早く口を押さえ
ました。


それは吐き気などでは
なく


酷い現場だったから。


まだ血液の後が残って
いて


痛々しかった。


“辛かったんだよ

痛かったんだよ"


そうまさや君が訴えて
いるように


涙が出そうになりながら
手を合わせました。


-まさや君。

そちらの世界はどうですか??

私はまさや君がいなくて

寂しいです。

元気でいてください。

ずっとずっと大好きな

お兄ちゃんだよ-



そして現場を後に
しました。


“夏織ちゃん!!!!"


私は急いで後ろを振り向いた。


…まさや君が手をふって
笑顔でいるような気がしました。


だから私も

『また一年後…』


そう言って手をふり
帰りました





-END-
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