ヒワズウタ ~チヒロ~

振り向いた彼は、少し驚いた顔をしたけれど、すぐに笑顔になった。


「あぁ、もう大丈夫なんだね」


ごく自然に私の肩に添えられた彼の手の感触に、胸が苦しくなる。



「家は近いの?
 誰か家の人に迎えに来てもらったほうがいいよ。」


子供とか、小動物を見るみたいに目を細めてる柔らかい笑顔の彼は、最初に見た時よりも幼く見える。

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