ヒワズウタ ~チヒロ~
「あの、今日は、遅かったんですね。」
「あぁ、・・・少し残業になってね。」
ユヅキさんの一言一言が、私の中にどんどん入ってきて、体がフワフワしてくる。
もっと一緒にいたいって思うのに、何を話していいのかわからなくなる。
「チヒロちゃんは仕事は、もう終わったの?」
「あの・・・お礼を言いたくて・・・」
「・・・お礼?」
「昨日は、本当に、ありがとうございました。
それに、たくさん話も聞いてもらってしまって。
あんなに一度にたくさん話してしまって、すみませんっ!」
顔を上げて、一気にまくしたてるようにして言うと、ユヅキさんは、ちょっと驚いたような表情になった。