ヒワズウタ ~チヒロ~
少し酔っているユヅキさんは、外灯が照らす薄い闇の世界に浮かんで、とても綺麗だ。
別れた恋人は、私と同じ歳だった。
とても良い人だったけれど、大人ではなかったんだと思う。
ユヅキさんは、私が話すことをいっぱい聞いてくれた。
穏やかに微笑んで、ちゃんと聞いてくれた。
「私、きっと、ユヅキさんが好きなんです。」
ついさっきまで他愛もない話しをしていたのに。
告白ともとれる言葉が、私の口から出た。