ヒワズウタ ~チヒロ~


「・・・帰りたくない」



ユヅキさんの動きが止まる。


私は、キッチンに背を向けたまま言葉を続けた。


「一緒に・・・いたい」





ユヅキさんが動く気配がした。

私から少し離れたところで立ってるんだと思う。




「ボクには、誰かを愛するということが、わからないんだ。

 ごめん。」



背中を向けたままの私に、

ユヅキさんは、

ゆっくりと話してくれた。


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