誕生日には花束を抱えて【完】
プロローグ
クリスマスイヴ――。
駅前のデパートの正面玄関には、派手にデコレートされた大きなもみの木。
軽やかなクリスマスソングが流れて……。
楽しそうな家族連れ。
ぴったり寄り添う恋人たち。
道端で騒いでいる若者たち。
――街は笑顔であふれていた。
そんな中を、たったひとりで歩いている男がいた。
Gパンとダウン姿の彼は、一見大学生。
デパートの入り口の花屋――色とりどりの花束に彼は目を奪われた。
「いらっしゃいませ~」
店員に声をかけられ、
「あ、いや……」
逃げるように花屋から離れた。
駅前のデパートの正面玄関には、派手にデコレートされた大きなもみの木。
軽やかなクリスマスソングが流れて……。
楽しそうな家族連れ。
ぴったり寄り添う恋人たち。
道端で騒いでいる若者たち。
――街は笑顔であふれていた。
そんな中を、たったひとりで歩いている男がいた。
Gパンとダウン姿の彼は、一見大学生。
デパートの入り口の花屋――色とりどりの花束に彼は目を奪われた。
「いらっしゃいませ~」
店員に声をかけられ、
「あ、いや……」
逃げるように花屋から離れた。
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