誕生日には花束を抱えて【完】
昇降口で、小泉と山本に会った。


しっかりとつながれた手を見て。


「やっと仲直りしたのね」と山本。


「それじゃ、また、みんなで勉強、始めますか」と小泉。


中学からの習慣は未だに続いていたが。


「あ、私、パス。これから予備校に行くことにしたの」


山本によって、終止符が打たれることになった。


オレたちは、もうすぐ、高校3年生。


受験生活が本格的に始まるのだ。


「予備校?」

「うん。私、医学部に行こうと思って」

「え~、医学部?! 医者になんの?」

「まあ、できれば」


山本は、以前から医者が主人公のマンガをよく読んでいたから、もしかしたらその影響かもしれない。

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