誕生日には花束を抱えて【完】
「ねえ、みんなも、行かない?」
「いや~、オレには無理だな。――神崎の頭なら行けんじゃん?」
「私も無理。血とか、ダメ」
「オレもなんだよ~。最近は、ドラマでもエグいシーンあるだろ~」
「手術シーンとか、やりすぎだよね」
この、乙研の2人は、よく変なところで意気投合する。
「あのねえ。……医学部じゃなくて、予備校に一緒に行こうって言ってるのよ」
山本が、呆れたように口を挟んだ。
「なんだ、予備校か……」
小泉が言った瞬間、オレは、閃いた。
予備校に行けば、密室で愛と2人きりになる機会が減る――と。
愛とは一緒にいたいが、密室に2人きりはヤバイ。
「あ、オレ、行こうかな。一応、国立狙ってるし」
「だよな~。オレも国立行きたいし、そろそろ予備校行った方がいいよな」
「みんなが行くなら、私も行く」
こうして。
告白もせず、理性を失いそうになることもなく、愛と一緒にいられる――。
そんな理想的な日々が、始まった。
「いや~、オレには無理だな。――神崎の頭なら行けんじゃん?」
「私も無理。血とか、ダメ」
「オレもなんだよ~。最近は、ドラマでもエグいシーンあるだろ~」
「手術シーンとか、やりすぎだよね」
この、乙研の2人は、よく変なところで意気投合する。
「あのねえ。……医学部じゃなくて、予備校に一緒に行こうって言ってるのよ」
山本が、呆れたように口を挟んだ。
「なんだ、予備校か……」
小泉が言った瞬間、オレは、閃いた。
予備校に行けば、密室で愛と2人きりになる機会が減る――と。
愛とは一緒にいたいが、密室に2人きりはヤバイ。
「あ、オレ、行こうかな。一応、国立狙ってるし」
「だよな~。オレも国立行きたいし、そろそろ予備校行った方がいいよな」
「みんなが行くなら、私も行く」
こうして。
告白もせず、理性を失いそうになることもなく、愛と一緒にいられる――。
そんな理想的な日々が、始まった。